ビジネスシューズとして安価なものを履いていませんか?安価なシューズは劣化が早く、足を痛める原因にもなります。高級な物を長く使った方が結果的に得をすることが多くなるでしょう。長く愛用できる靴選びのポイントについて解説します。
この記事の目次
高級なビジネスシューズのメリット
高級なビジネスシューズと安価なシューズは何が違うのでしょうか。まずは、高級ビジネスシーズを履くメリットから、正しく理解していきましょう。
人気ブランドの靴が履ける
メリットの一つは、高級なビジネスシューズを選べば、人気ブランドのアイテムを身につけられるという点です。
イギリスの『EDWARD GREEN』やフランスの『J.M.WESTON』、日本を代表する『REGAL』や『山陽山長』などは、ビジネスシューズにこだわっている人にとっては耳慣れたブランドでしょう。
ブランドにあまり興味のない人もいるかもしれません。しかし、自分の上司や同僚、取引先の中には、興味のある人がいる可能性が大いにあります。ビジネスマンの多くがビジネスシューズを選ぶ以上、シューズのブランドや種類に興味を持つ人は一定数以上はいるでしょう。そんな人達と共通の話題ができるかもしれません。
また、自分自身がブランドに興味を持つことができれば、ただ履くだけだった靴に楽しみを見い出すこともあるでしょう。
長く履ける
すべてがそうだとは言い切れませんが、安価なビジネスシューズは素材の質が悪く、縫い合わせも甘い物が多々あります。1日中外を歩き回るようなビジネスマンであれば、1カ月もしないうちにシューズが傷んで履けなくなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、高級シューズは各パーツごとにきちんとした素材が使われ、縫い合わせもしっかりしています。きちんと手入れをすれば、安価な靴が10足ダメになるところを1足で済むことだってあり得るでしょう。
そうなると、価格が数倍以上しても、はじめから高級シューズを買った方がお得になる可能性もあります。
履けば履くほど味わいが出る
高級なシューズの素材は、厳選されています。
例えば、ビジネスシューズの素材としてよく使われるのは牛ですが、高級ブランドでは仔牛の頃からしっかりと管理して、最高級の素材が取れるように仕立て上げています。結果、繊細で美しい牛革を使用したシューズが作れるというわけです。
靴底に関しても同様に、しっかりと選び抜いた素材が使われています。製作面でも、確かな技術をもつ職人によって、精密に仕立て上げられているのです。
このように高級ブランドは素材から製作まで、非常にこだわって作られているため、履くほどに革の色や質感に味わいが出るようになっています。
高級感がある靴はフォーマルにも合う
冠婚葬祭はもちろんのこと、会社の中でもとりわけ重要な会議や式事といったフォーマルな場所に行く機会もあるでしょう。
そんな時に安っぽい靴を履いていると、場から浮いてしまうことがあります。見る人が見れば、靴の価値は一目でわかってしまうのです。
高級感がある靴が1足あれば、フォーマルな場で迷うことはありません。「この靴でいいのだろうか?」というような悩みから解放されるのです。
もちろん、フォーマルではない普通の会議やイベントでも、高級感のある靴は見栄えもよく、周囲に好印象を与えます。
高級なビジネスシューズの特徴
高級な靴と安価な靴の違いと言われても、ピンと来ない人もいるでしょう。しかし実際に自分で購入して、靴を並べてみればそれは一目瞭然です。
高級なビジネスシューズには、どういった特徴があるのかを紹介します。
立体的で美しい見た目
安価なビジネスシューズとは、とにかく効率重視で作られています。用意されたパターンに沿って素材をカッティングし、ミシンで縫い合わせ、または製法によっては接着剤を用いることもあるようです。
コストパフォーマンスを考えれば、必ずしも悪いとはいえませんが、高級シューズとは仕上がりに雲泥の差が出てしまいます。
なぜなら、高級シューズは熟練の職人によって素材がカットされ、手作業で縫って作られるためです。ミシンと違って、縫う場所の力加減を調整できますし、素材の厚さについても細部までこだわって製作されます、そのこだわりは、履き心地や傷みにくさなど、見えない部分にまで及びます。
そうしてできあがった靴は、立体的で美しく仕上がっています。
抜群のフィット感
量産品の安価なシューズは、できるだけ多くの人の合うように設計されます。ところが人の足の形は千差万別です。表面的な足の大きさだけではなく、甲の厚さや横幅、土踏まずの形など、足のサイズを決める要素は色々あります。
そういった細部について考慮せず「とにかく履ければ良い」として作り出されるのが安価なシューズです。
しかし、高級シューズの場合は違います。靴の形を作る木型のバリエーションが豊富で、さまざまな形状の異なったサイズのものが多く作られるのです。
その中から自分の足により合うものが見つけられるため、抜群のフィット感のシューズが手に入ります。
特別な本革素材や製法
上でも少し触れましたが、高級シューズを作るブランドは、素材にしっかりこだわっています。素材はどれも希少品で、高級感だけではなく履き心地や丈夫さなど、さまざまな観点から配慮された素材を厳選しているのです。
製法に関しても同様、高級ブランドは自分たちの製法を確立させています。
特にハンドソーンウェルテッド製法は、手縫いによって靴を作る方法で、大変な手間と時間がかかります。それでも、高級ブランドはリソースを出し惜しみをせず、自分たちの店に並べる高級シューズの価値を高め続けているのです。
高級ビジネスシューズの選び方
高級ビジネスシューズといっても、フォーマルかカジュアルか、普段どんな場面で履くのか、どんな人が履くのかによって、ベストな靴の種類は異なります。
その中から、自分にピッタリの靴を見つけるというのは少々難しい作業です。そこで、どのような基準でビジネスシューズを選べば良いのかについて解説します。
靴のデザイン、スタイル
まずは、カラーやデザイン、靴のスタイルなどから選んでいきましょう。
重要なのは、自分の好みをきちんと把握するということです。黒が好きかブラウンが好きなのか、デザインはシンプルなプレーンが良いのか、それとも少しお洒落なウイングチップが良いのか、こだわる部分は色々あります。
スタイルにもこだわらなければなりません。明るくおしゃれなビジネスシューズを買ったところで、フォーマルな式事では出番はないでしょう。その場合は、黒系のシンプルな靴を選ぶべきです。
高級ブランドごとに、どんな靴を作ることに長けているのか、それぞれの特徴もあるので、まずは自分がどういった靴が好きなのか、そしてどんなことに使うために購入するのかを明確化していきましょう。
履き心地、サイズ感
自分の好みや用途がはっきりしたのなら、次はもっとも重要な『サイズ』についてです。サイズが異なった靴は傷みやすいだけでなく、自分が履いていても苦痛を感じてしまいます。
長く付き合うことになるので、履き心地にも気を配りましょう。イタリアのシューズは『マッケイ製法』で作られることが多く、余裕を持った履き心地が特徴です。またイギリスの靴は『グッドイヤーウェルト製法』で作られることが多く、最初は硬く感じられますが徐々に足にフィットしていくという特徴があります。
自分の足にぴったりと合うサイズと、好みの履き心地のシューズを見つけてみましょう。
人気の高級ブランド
世界には、さまざまなビジネスシューズのブランドがあります。その中でも代表的なものをいくつか紹介しますので、高級シューズを買うときの参考にしてみてください。
イギリスの最高級ブランド EDWARD GREEN
1890年に創業されたブランドで、120年以上の歴史を誇るイギリスのブランドです。「でき得る限りの上質を求める」という信念を掲げ、最高級の品質のシューズを作り続けてきました。
カーフスキンと呼ばれる最高級の素材で、専属の職人が一つ一つシューズを手作りしています。
平均価格帯は15~20万円ほどで、チェルシーやバークレーといったさまざまな高級シューズを今なお生み出しているブランドです。
フランスを代表する老舗 J.M.WESTON
1891年に創業したブランドで、『ジェイエムウエンストンは10年履ける』を信条にしています。フランスを代表する高級シューズブランドで、フランス人俳優や元大統領、政治家にも愛用されています。
中心価格帯は10~15万円ほどで、さまざまな場面で履ける『ゴルフ』や『ハント677』といったブランドを象徴するシリーズがあります。
時代を超えた最高品質 John Lobb
1866年に創業した150年以上の歴史を持つ老舗ブランドです。創業者である『ジョン・ロブ』の名を冠したこのブランドは、アメリカの炭鉱夫用の靴で大成功を収めてその資金でイギリスで開業しました。イギリスのビスポークの技術とフランスの美しい気品が合わさり『King of Shoes』とも呼ばれています。
中心価格は20~25万円で、30年以上愛されている『シティ2』やビスポーク要素を多く取り入れた『フィリップ2』など代表的なシューズも多くあるブランドです。
日本を代表するブランドREGAL
日本初の製靴会社『伊勢勝造靴場』とアメリカの『リーガル・シュー・カンパニー』が1961年に技術導入契約を結ぶことで誕生した、日本を誇る代表的なブランドです。
バリエーションも豊富ながらコスパも良く『810R』など、2万円台から購入できるシューズが魅力と言えます。中心価格も2万円~4万円と非常に安く、高級ブランドへの登竜門ともいえるブランドでしょう。
高級ビジネスシューズの注意ポイント
高級ビジネスシューズが、安価なビジネスシューズよりも丈夫なのは確かですが、だからといって雑に扱っていてはすぐにダメになってしまいます。高価だからこそ長持ちさせたいものですよね。
高級ビジネスシューズを扱う場合の注意点について解説します。
一足だけを履き続けない
一般的な靴にも言えることですが、一足だけを履き続けないということが大切です。高級な靴を複数買うのはもったいないと思ってしまい、1足だけをずっと履いている人がいますがそれはやってはいけません。
人間の足は、1日でコップ1杯分程度の汗をかきます。乾かさずに毎日履き続けると靴は傷みますし、雑菌も繁殖するでしょう。
できれば3足をローテーションさせるのがおすすめです。すべて高級ビジネスシューズである必要はありませんが、履いたら靴を休ませてあげましょう。
定期的にメンテナンスをする
ブラッシングや汚れ落とし、撥水スプレーなどで定期的にメンテナンスをしましょう。毎日手入れをするのが望ましいですが、無理な場合は靴に兆候があったときにやるようにします。傷が付いた時や、色落ちなどを見かけたら手入れを行いましょう。
特に雨の日の手入れは重要です。靴が傷まないようにしっかりと水分を乾かし、その後にも処置を施す必要があります。しっかりとメンテナンスをして、靴を長持ちさせてください。
高級ビジネスシューズのお手入れ方法
定期メンテナンスの重要性について触れましたが、実際にどのような手入れをしたら良いのかを解説します。
長持ちさせるだけでなく、綺麗で清潔な靴は見た目も履き心地も素晴らしいものになるでしょう。
汚れを落とす
汚れを落とす前に、レースアップの場合は、まず靴の紐をすべて取りましょう。紐が残っていると、汚れ落とし用のクリームが革に行き渡らず、ヒビが生えてしまうことがあるからです。
そして、シューツリーを入れて靴にシワがない状態にしましょう。
いよいよ汚れ落としの作業に入ります。汚れに加え、前に使った時のクリームもしっかりと落としていきましょう。軽くこするような気持ちで、丹念に落としていきます。
汚れを一通り落とせたら、次はクリームを靴に塗っていく作業です。
クリームで靴を磨く
靴と同じ色のクリームで、靴を磨いていきます。この時、布を使うとクリームを吸ってしまうため、柔らかいブラシを使い、靴に傷をつけないようにしながらクリームを塗っていってください。柔らかいブラシなら傷つくことはないので、しっかりと磨いていきましょう。
続いては、固さのあるブラシで磨いていきます。今度は、クリームを靴全体に広げるように軽く磨いていきましょう。
乾拭きで仕上げ
クリームにムラが出てくるため、最後は乾拭き用のクロスでクリームのムラを整えていきます。光沢が出て、ムラがなくなったら仕上げ完了です。
ここまでの流れを月に一度は、本格的な手入れとして行いましょう。
高級ビジネスシューズの雨の日対策
高級ビジネスシューズを長持ちさせるためにも、雨の日の対策もしっかり行っておきましょう。
予防と濡れた後の手入れ方法について紹介します。
防水スプレーやクリームで予防
シューズが乾燥している状態では、水と一緒に汚れを吸いやすくなっています。そこで、塗れ雑巾で靴底を拭いた後に、クリームやミンクオイルを塗り込んでおきましょう。ただし塗り込みすぎは厳禁です。薄く全体に塗り込んでいくのがポイントです。
また、防水スプレーも出かける前に使っておくのが有効でしょう。ただし、外出直前ではなく、外出30分前に使っておくのがポイントになります。靴が濡れてから使うのは、ダメージを受ける原因になってしまうためNGです。
雨に濡れた後のケア方法
いくら予防をしたところで、雨の中を長時間歩いたり、大雨に降られたりすれば靴は濡れてしまいます。その際には、革靴をしっかりケアしていきましょう。ポイントは水気を取ることと、油分をしっかりと補充することです。
まずは、靴の表面の水分を拭き取った跡に、靴の中に新聞紙や乾燥剤を詰めて内部を乾かしましょう。その後は型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れた後に、日陰干しします。しっかりと乾燥させるのが重要です。
乾ききったら、デリケートクリームを塗っていきます。塗りすぎないよう、後で拭き取る作業も行いましょう。
まとめ
ビジネスシューズは、高級な物を選んだ方が長持ちさせやすいですし、履いた時のフィット感や足の軽さが段違いです。安物のシューズを使い潰すよりも長持ちするかもしれません。
シューズは自分の好みとサイズ、履き心地から選ぶのも良いでしょう。REGALのように、安くてしっかりとしたシューズを売っているブランドもあります。
ただし、高級シューズだからといって、まったく手入れをしなければすぐに傷んでしまいます。毎日の軽い手入れと、月に一度のしっかりとしたケア、特に雨の日のケアは欠かさないようにしましょう。