こんにちは、Re.muse(@remuseordersuit)です。

ファッションの秋ともなれば、お洒落好きなビジネスパーソンはスーツをさりげなくお洒落に着こなしたいものです。周りにも一目置かれるような、素敵なスーツスタイルを実現するためのコツや、スーツの選び方を解説します。

秋に着るスーツの特徴とは?

秋に着るスーツは他のシーズンとの違い、秋物ならではの特徴があるのでしょうか?具体的に確認してみましょう。

秋には秋冬スーツを着よう

日本は四季折々の気候や、風物の彩りがある国です。当然、季節に沿って私たちの装いにも、四季の変化が反映されます。では、スーツスタイルに関してはどうなるのでしょう。秋に着るスーツは秋物でしょうか?

実は、スーツに関しては四季ごとに分ける必要はありません。『秋冬物のスーツ』と『春夏物のスーツ』の2種類を分けていれば大丈夫なのです。春は春夏スーツでまったく問題なく、夏は暑いときはジャケットを羽織らずに携帯するスタイルです。

秋は秋冬スーツで丁度よく、冬は屋外ではその上にコートを羽織ったり、中にニットやベストを着込んだりして調節するのです。

もちろん『合い物』という季節のはざまに着るスーツや、『オールシーズン』着用可能なものも存在はしています。しかし、一般的には春夏と秋冬の分類で支障はなく、各メーカー・ブランドもそういう分け方での品揃えが大半を占めます。

春夏ものとはどう違うの?

春夏物との違いは『生地の重さ』と『裏地の仕様』です。春夏スーツの生地は、秋冬スーツの生地よりも軽く薄いのです。『目付け』という生地1平方メートルの重さで230g前後から下が春夏物、260g前後から上が秋冬物です。

また、春夏スーツは裏地が『背抜き仕様』、秋冬スーツは『総裏仕様』となり、背中の部分の裏地のあるなしで見分けられることが一般的です。

オールシーズンスーツは年中OK

オールシーズンスーツという部類は『10months(テンマンス)』と呼ばれる、成果の2カ月を除く10カ月の間なら、いつ着ても大丈夫なニュートラルな生地で作られます。

完全な一年中というと語弊がありますが、7〜8月は屋外では盛夏物のスーツでさえ暑くて羽織れないぐらいです。10カ月間着ることができるうえ、エアコンが効いた場所ならその2カ月も着られるので、年中着られると言っても差し支えはないでしょう。

秋スーツにオススメの生地素材

ファッションの本番である秋に着るスーツには、どんな生地・どのような素材が相応しいのでしょうか。たくさんあって迷うことでしょう。おすすめを紹介します。

フランネル

まず、おすすめしたいのは『フランネル』です。フランネルはフラノとも呼ばれる起毛素材で、ウールを縮絨(しゅくじゅう)したものです。

縮絨とは、生地の組織を緻密にし、毛の先端を絡ませてフェルト状にする作業で、石鹸溶液・アルカリ性溶液などで湿らたうえで圧力・摩擦を加え収縮させるのです。

昔の登山家たちには欠かせない素材で、見た目も暖かそうで柔らかくて肌触りもよく、高級感ある伝統的なスーツ生地です。

ここ10〜20年の秋冬スーツ生地の大きい傾向としては、温暖化やどこに行ってもエアコンが完備されているようになった影響なのか、薄手化しています。

そんな中で、希少となってきたフランネルは、クラシカルな雰囲気が風合いのよさと相まって、とても魅力的な生地です。

サキソニー

フランネルとよく似ていて、メンズファッションの業界人にさえ薄手のフランネルと誤解されていることが多い生地が『サキソニー』です。どちらも縮絨した素材で、見た目も似てはいますが全く別ものになります。

フランネルは、毛羽立った糸である『紡毛糸(ぼうもうし)』で織ったものであるのに対して、サキソニーは、つるっとした糸『梳毛糸(そもうし)』で織ったものを後から毛羽立てる『起毛加工』をしています。

フランエルよりも薄くて、さらに柔らかい生地です。当初はドイツのザクセン地方のメリノ種の羊毛を原料としていたのでサキソニーの名がつきました。フランネルよりも頻繁に、スーツ・ジャケット・パンツに使われています。

ツイード

フランネルやサキソニーよりも太番手の粗めの糸で織り上げられた、素朴な素材感と温かみ、深い色目で人気がある秋冬の代表的な素材が『ツイード』です。

主に、スコットランドやアイルランドで作られる、カントリータッチの素朴な生地です。

ざらっとした肌触りのハードな生地で、スーツよりはジャケット単品やコートに頻繁に使われます。着るほどに柔らかくなり、風合いが味わい深くなるので、そのコートやジャケットがとても長い期間着られたり、親から子へ手渡されたりもする生地です。

メルトン

『メルトン』は、厚手の保温性に富む、防寒用に生まれた生地です。太番手の糸で織ったものを縮絨した後に『メルトン加工』といって、ブラシをかけて起毛させているので、フランネルとは似ていても毛足は長く、ボリュームがあります。

スーツに使われることはなく、ジャケットやコート向けの生地です。ピーコートやダッフルコート、チェスターフィールドコートなどに使われています。

秋にオススメのスーツ柄

秋冬生地のスーツは、その豊かな風合いの持つポテンシャルのなせるわざか、柄が違えば同じ生地クオリティでもまったく別物に見えます。そんな素敵な生地を使った、秋におすすめのスーツ柄を紹介します。

ストライプ

ストライプはメンズスーツの永遠の定番柄です。着るひとをスタイリッシュに見せる効果があります。ストライプは種類も大変多いのです。柄の描き方や柄幅の取り方でいろいろな違いがあります。代表的なものを挙げましょう。

  • ピンストライプ…点線で描いたようなストライプ
  • ペンシルストライプ…鉛筆の線のようなストライプ
  • チョークストライプ…チョークで引いたようなストライプ
  • バンカーズストライプ…太い線で柄幅も広いストライプ
  • ドットストライプ…水玉で描かれたようなストライプ
  • トラックストライプ…2本の線が並行して走るストライプ

他にもたくさんのストライプが存在しますが、スーツに使われるものはだいたい上記のにどれかです。

ヘリンボーン

英国調クラシック柄の大御所的存在で、『herring』は魚のニシンのことで『bone』は骨の意味です。ニシンの骨がきれいに斜めに並んでいるのとそっくりなので、そう呼ばれました。日本では『杉綾織り』と呼ばれます。これは杉の枝ぶりと似ているからです。

20世紀前半のヨーロッパの服飾関連の資料の中には、ヘリンボーン柄のジャケットやスーツ、スリーピースを着ている人物の写真がとてもたくさん残っています。昔から絶大な人気を集める柄だったのでしょう。

普遍的な織り方の1つとして今後も残るであろう、クラシックの証しのようなヘリンボーン柄のスーツは、それだけで存在感があります。柄の重みに負けないように、心して着用しましょう。よく

千鳥格子

猟犬の牙に似ているので『ハウンドトゥースチェック』と呼ばれる『千鳥格子』も、代表的な英国調の柄です。時代によって小ぶりなものが流行ったり、少し前ではかなり大ぶりな千鳥格子が、どちらかと言えばカジュアルで流行ったりしました。

ヘリンボーンと同様、基本的にはスタンダードな柄として、常に存在しています。実際過去にもスーツ・ジャケットに、非常によく使用されてきました。白と黒の組み合わせが基本ですが、ブラウン系やブルー系その他の色もあります。

チェック

チェックにはさまざまな種類があり、それぞれ印象も違います。最近人気のチェックは『ウィンドウペーン』という窓枠状の大柄のチェックです。街で見かけたことがあるのではないでしょうか。

スーツによく使われる主なチェックは『グレンチェック』『プリンスオブウェールズチェック』『ガンクラブチェック』『シャドーチェック』『タータンチェック』『マドラスチェック』『ブラックウォッチ』などです。

秋スーツにマッチする色は?

彩りある季節、秋のスーツにマッチする色には、どのようなものがあるのでしょうか。使いやすいものやおすすめを紹介しておきます。

落ち着きがある暖色系

暖色系、つまりスーツにおいてはブラウン系やベージュ系のものは、落ち着きがあり、暖かみもあっておすすめできます。ストライプでもチェックでも似合う色目です。

前述のヘリンボーンなど、ツイード系の生地は暖色系によく合います。ツイードのカントリータッチと暖色系のナチュラルカラーの相性が抜群なのです。

コートと合わせやすいグレー系

コートを着ることを想定すると、クセの少ないグレー系のスーツが合わせやすいのは間違いありません。ライトグレー・ミディアムグレー・チャコールグレーのどれでも同じことが言えます。

スーツをシックなグレーにすれば、合わせるコートは色目の自由度が高まります。同系色の濃淡を出してグレーもよいですし、ネイビー系のことも問題なく合います。

暖色系であるブラウンや、ベージュのコートもすんなりとマッチするので、コートに対しては非常に汎用性があるスーツの色と言えましょう。

定番のネイビーも

メンズスーツの定番中の定番、ネイビースーツも秋におすすめの色です。凛としたネイビーは寒色系ではありますが、暖色系のアイテムとの相性も意外とよいのです。

イタリア人は、ネイビーとブラウンを組み合わせる着こなしが大好きです。『アズーロとマローネの法則』と言われており、アズーロは空色でマローネは栗色、すなわちブルー系とブラウン系のことです。

この2系統の色合わせをイタリア人は好むということです。だからブルー系であるネイビーがブラウン系のアイテムと相性がよいのです。

オシャレ度アップの必需品セーター

とても手軽にできて、オシャレ度をアップできる必需品ともいえるセーターを使って、スーツを着こなしましょう。

オフィスカジュアルにもおすすめ

オフィスカジュアルという意味では、セーターは使い勝手がよいアイテムで、シャツの上に重ねるだけで、まず雰囲気が変わります。

袖がある分ベストよりも暖かさがあります。ただし、スーツの中に着るには『ゲージ(糸の太さ)』を選びましょう。ゲージにはハイ・ミドル・ローと大まかには3種類のゲージがあります。

ジャケットの中着るためには細め=ハイゲージのものが、かさばらないので適しています。ミドルゲージはギリギリ大丈夫ですが、モコッとした印象は否めません。

ローゲージは、着膨れして見えるうえにカジュアル感が強く出てしまうので、避けた方が無難でしょう。

着こなし術

スーツに合わせるセーターは、ゲージの次には『色目』で遊びましょう。鉄板コーディネートとしては、スーツと同系色で濃淡が出るセーターがよいでしょう。ワントーンになり、シックでクールな装いに仕上がります。

ネイビーのスーツにネイビーあるいはブルーのセーターもよいですし、チャコールグレーのスーツにライとグレーのセーターなども合います。

また、配色という選択肢もあります。ライトグレーのスーツにベージュのセーターや、ブラウンのスーツにワインカラーのセーターなどもオシャレです。

スリーピースでクラシカルに決める

メンズでは昔から存在してはいるけど、しばらくは下火でここ数年で人気が復活したのは『スリーピース』です。詳しく見ていきましょう。

スリーピースとは?

スリーピースとは以前は『三つ揃え』とよばれていたアイテムです。文字通り、共生地で仕立てられたジャケット・ベスト・パンツの3点セットになります。

ベストを中に着ることで品格は上がります。英国の階級社会の中では『スリーピース』と『ダブルブレストスーツ』はどちらも、通常のスーツよりも格上とされます。

スリーピースのおすすめカラーはスタイリッシュなネイビー系、大人っぽくてクセがないグレー系・洒脱なブラウン系です。着るひとの個性並びに顔映り(顔色がよく見えるかどうか)で決めましょう。

無地もよいですが、柄物のクラシカルなストライプはとてもオシャレになります。英国調のチェックも雰囲気が出るのでおすすめです。

ベストの選び方

ベストを選ぶにあたって、気をつけたいポイントを挙げておきましょう。

ベストは、釦数が5個で襟なしが基本です。デザインものとしてクラシカル風味が強い襟付きや、重厚なダブルの打ち合わせのベストや、Vゾーンが狭い6個のタイプもありますが、クセが強いのでまずは基本型から入りましょう。

ベストの丈は長すぎても短すぎても格好悪いので、ベルトをちょうど隠すぐらいの適切な丈を選びましょう。

ベストの胴幅は緩すぎるのはよくありません。とはいえ狭すぎてももちろんNGです。少し同幅に余裕があるベストを、背中の尾錠を調節して幅を少し狭めてジャストフィットさせる着こなしがおすすめです。

秋スーツに合うコートの着こなし方

コートは秋のファッションの中でも、個性をたっぷり引き出せるアイテムです。そんなコートの着こなし術を紹介します。

コートの種類

スーツに合うコートのタイプは本当にたくさんあります。ビジネスカジュアルも含めて、スーツやジャケットに合わせられるものは、基本的なものだけでも以下の通りです。

  • ステンカラーコート
  • チェスターフィールドコート
  • トレンチコート
  • ダッフルコート
  • ピーコート
  • キルティングコート
  • カーコート
  • モッズコート

上の3つは最も定番のタイプです。『バーバリー』や『アクアスキュータム』などの英国の老舗ブランドが100年ほど前から扱っている、歴史を背負ったアイテムです。

コート選びのポイント

コートを選ぶには、どのようなイメージでコートを着たいのかが明確であれば、自然とスーツとの相性も合うはずでしょう。不明確なまま選ぶと、2つのアイテムの雰囲気に違和感が生まれます。

誠実・保守的な感じで選ぶなら、『ステンカラーコート』です。ひんしゅくを買わずに、スタンダードなスタイルが作れます。

ダンディで攻めるのであれば『トレンチコート』です。男の哀愁やハードボイルドなどの代名詞でもあります。

シーンおすすめコート

就職活動シーン用にコートを選ぶなら『ステンカラー』で、色はダークネイビーやブラック、チャコールグレーなどがおすすめです。素材はウール・コットン・化繊のどれでも、見た目がベーシックであれば問題ありません。

結婚式やパーティなどのフォーマルシーンでは、クロークにも預けますし、品格を問われますので、ウールかカシミアの黒のステンカラー、あるいは同じくウールかカシミアの黒のチェスターフィールドコートにしておけば間違いないでしょう。

プライベートシーンでのおすすめは、着回しのよさとオシャレさを満たしてくれる、チェスターフィールドコートです。スーツとなら上品、オフィスカジュアルとなら大人っぽく、デニムファッションとならワイルドなイメージが生まれます。

まとめ

秋のスーツをお洒落に着こなすための、コツや選び方、生地についての情報やコートに関しても紹介しました。クラシックな生地・柄を使ったスリーピースなどのお洒落にチャレンジして欲しいものです。

何といっても秋はファッションの本番です。自分の個性を生かせるファッション上の『戦略』を携えて、スーツそしてコートの着こなしを楽しみましょう。