重ね着やコートを楽しめる冬は、ファッションの本番です。冬のスーツをスマートに着こなすたえに必要なサイズフィッティングや生地選び、着こなしの研究、コートなどの関連アイテムなど、基本的な情報と着こなし方を紹介します。
この記事の目次
スーツの印象を決めるのはサイズ感
スーツスタイルの人を見たときに、まず印象として伝わるのはサイズ感でしょう。サイズが合っているスーツを着ている人は、スマートに見えて好感が持てます。合っていないと感じると、だらしなく無理している感じが伝わり、よくありません。
サイズの選び方を見ていきましょう。
ジャケットサイズの選び方
サイズを合わせる場合、まずはジャケットから優先に考えましょう。身体にフィットしたジャケットは、着用する人の印象もアップしてくれるため、サイズバランスが合ったジャケットを選んでください。サイズの目安は以下の通りです。
- 肩幅:ジャストから1cm程度の余裕を持たせる
- 袖の長さ:腕を降ろした状態でシャツのカフスが1~1.5cm見える
- 胴回り:第1ボタンを止めて、身体との間に握り拳がはいるくらい
- 着丈:ヒップがちょうど隠れるぐらいの長さ
袖の長さはシャツが少し見える程度、アームの太さも太すぎないものが望ましいです。
着丈は、ヒップがたっぷり隠れる程度が良いとされていますが、近年は少し短めがはやっている傾向があります。極端でなければ、少し短かめでも悪くはないでしょう。
パンツは丈の長さがポイント
ジャケットなど、他のアイテムのサイズが合っていても、パンツのサイズが合っていなければ、スタイルが台無しになります。
バランスの良い体型であれば、ジャケットが合っていればパンツもきれいに合うことが多いですが、丈の長さには注意しましょう。
股下丈は長すぎるとだらしなく、短すぎると縮んだように見えてしまいます。『ハーフブレイク』が標準的ですが、近年はノーブレイクに近い長さも流行です。完全なノーブレイクやフルブレイクは、だらしない印象を与えてしまうため避けましょう。
季節感を演出するスーツの生地選び
スーツの生地は、季節感を表現する最大の要素です。冬のスーツの生地選びに関してポイントを紹介します。
暖かく柔らかい素材を選ぼう
寒い冬には、見るだけでほっとするウォーム感がある生地のスーツを着るのが、暖かいうえに好感度も上がります。
おすすめは『フランネル』や『ツイード』です。フランネルはフラノとも呼ばれる起毛素材で、ウールを縮絨(しゅくじゅう)したものです。
これは、生地の組織を緻密にし、毛の先端を絡ませてフェルト状にする作業で、石鹸溶液・アルカリ性溶液などで湿らたうえで圧力・摩擦を加え収縮させるのです。見た目も暖かそうで柔らかく、高級感もある伝統的なスーツ生地です。
ツイードはフランネルよりは堅めですが、素朴な天然の素材感とナチュラルな暖かみがある優れた生地です。スーツよりもジャケットやコートに向いています。
ネクタイにもこだわる
冬はクールビズの夏場とは違って、ネクタイも活躍する時期です。そんな季節に周りとひと味違うネクタイで印象アップをはかりましょう。
ネクタイは、基本手金いシルク(絹)を使いますが、ウール素材のネクタイもあります。ウールネクタイのメリットは、暖かみと耐久性です。また風合いも大人っぽさがあります。
角の部分などはシルクタイだと擦れて毛羽だってきますが、ウールタイはそうなりづらいのも特徴でしょう。無地やストライプ、チェックやモチーフ柄など、柄の展開が多いため選ぶ楽しさもあります。
お洒落なメンズの定番スリーピース
スリーピースは、昔から存在していたスーツですが、ここ数年で人気が再燃してきました。詳しく見ていきましょう。
スリーピースとは?
スリーピースとはその名の通り、共生地で仕立てられたジャケット・ベスト・パンツのいわゆる『三つ揃え』とよばれるアイテムです。
スーツの中にベストを着ることで品格がアップします。英国の階級社会の中では『スリーピース』と『ダブルブレストスーツ』はともに、普通のスーツよりも格上とされているのです。
襟なしベストが基本ですが、クラシカルなニュアンスの襟付きや、重厚な雰囲気のダブルの打ち合わせのベストも存在します。ボタンの数も5個が一般的ですが、6個のVゾーンが狭いタイプもあります。
押さえておきたいカラーと柄
スリーピースを着こなすうえで、押さえておきたいカラーは、スタイリッシュな感じのネイビー系、大人っぽい感じのグレー系・粋な感じのブラウン系です。
それぞれ濃淡があり、着る人の個性や顔映り(顔色がよく見えるか否か)で決めるとよいでしょう。
柄は無地もよいですが、クラシカルなストライプがとてもオシャレに映えます。英国調の雰囲気が出るチェック柄もおすすめです。
ニットセーターでシックに着こなす
ニットセーターを使って、スーツをシックに着こなしませんか。手軽にできる着こなしなので、チャレンジしてみましょう。
セーターはオフィスカジュアルに最適
オフィスカジュアルやビジネスカジュアルでは、セーターはとても使い勝手のよいアイテムです。シャツの上に1枚重ねるだけで、雰囲気が変わります。
袖がある分ベストよりも暖かいです。ただし、ジャケットのインナーとして着る際は、ゲージ(糸の太さ)の選び方が大切となります。
ハイ・ミドル・ローと3種類のゲージがありますが、ジャケットの中には細めのハイゲージのものが、かさばらずスマートです。ミドルゲージも許容範囲ですが、かさばった印象にはなります。ローゲージは避けましょう。
おすすめのカラースタイル
セーターは色目で遊びましょう。ハズさないコーディネートとしては、スーツと同系色で濃淡が出るセーターがおすすめです。グラデーションのようになり、クールに見えます。
ダークネイビーのスーツに、ネイビーあるいはブルーのセーターもよいですし、チャコールグレーのスーツにライトグレーのセーターなども良いでしょう。
また、ほかの系統の色も使えます。ライトグレーのスーツにキャメルカラーのセーターや、ブラウンのスーツにボルド―のセーターなどもオシャレに見えます
周りと差が出るコートの着こなし術
コートは、冬のスーツファッションの中でも、特に個性を引き出せるアイテムです。周りに差をつけられるコートの着こなし術を紹介します。
コートの種類
スーツスタイルに合うコートのデザインは、多くあります。ビジネスカジュアル寄りも含めて、基本的なものを挙げてみましょう。
- チェスターフィールドコート
- ステンカラーコート
- トレンチコート
- ダッフルコート
- ピーコート
- カーコート
上の3つは最も定番的なデザインです。『バーバリー』や『アクアスキュータム』などの英国の老舗ブランドが100年前から手がけています。
コート選びのポイント
コートを選ぶには、その人がどのようなイメージでコートを着たいのかが大切です。イメージが明確であれば、スーツとの相性も合うはずです。もし不明確なまま選ぶと、スーツとコートの雰囲気がちぐはぐだったり、違和感が生まれます。
誠実・真面目・保守的な感じで選ぶなら、ステンカラーコートがおすすめです。スタンダードなスタイルが作れます。ダンディなムードを出したいのであればトレンチコートがを選ぶと良いでしょう。
着回しとオシャレさを求めるなら、チェスターフィールドコートです。スーツに合わせると上品で、オフィスカジュアルに合わせると大人っぽくなります。
まとめ
冬のスーツをスマートに着こなすための、基本情報や周辺情報をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
冬は、重ね着によるコーディネートのしがいがある季節です。基本を押さえつつ、冬のスーツファッションを大いに楽しみましょう。