タキシードを着用するときの、靴下の合わせ方をご存知でしょうか。漠然としたイメージはあっても、断言できる人は少ないようです。フォーマルシーンのタキシード着用時の靴下の合わせ方や、失敗しない靴下選びのポイントを解説していきます。
タキシードの靴下の色
タキシードを着用するときの、靴下の色の基本を知らない人も多いかもしれません。黒か白、あるいは黒白のストライプも可?その点は、一度覚えれば二度と忘れませんので、基本を確認しておきましょう。
基本は黒色
タキシードを着用するときに履く靴下の、基本の色は『黒色』です。フォーマルスタイル全般が、黒の靴下を基本とします。いわゆる礼服やブラックスーツのときは迷わず黒の靴下を履きましょう。
紳士服のセオリーから説明します。靴下はパンツと靴をつなぐものなので、その両方の色の中間に位置する色か、間に入って違和感のない色でなければなりません。
タキシードのパンツは黒で靴も黒なので、当然つなぐ色は黒しかありません。グレーや白なら上から下への色の流れが分断されてしまうでしょう。
白のタキシードなら白色で
タキシード着用時の靴下の基本は黒ですが、実は例外があります。ウェディングで新郎が白のタキシードを着る場合、靴は間違いなく白のエナメル素材のオペラパンプス、もしくは同じく白エナメルのストレートチップです。
その場合、パンツと靴をつなぐ色は黒ではなく、白色です。そのため、そのコーディネートの場合にかぎり、靴下も白色を合わすべきとなります。
タキシードの靴下の素材
タキシードに合わせる靴下に、素材の縛りはあるのでしょうか?人には見えない部分ではありますが、ファッションのセオリーはそういう部分まで影響しています。全てのセオリーは、洋服を着る上で意味を持つものなので、おろそかにはできません。
薄手のシルク素材
タキシードに合わせる靴下の素材は、究極的には黒であれば何でも良いでしょう。素材ならコットンでもウールでも、ポリエステルでもレーヨンでもOKです。
ただしエレガンスという、フォーマルスタイルにとって重要な観点から言うと、光沢のあるシルクが格が一番上です。黒の薄手のシルク素材が、もっともおすすめとなります。
消臭効果のある素材もOK
靴下の素材の中には、消臭効果のあるものも存在します。フォーマルの靴下用素材としてのシルクやレーヨン、コットンなどは、実は消臭効果もあることをご存知ですか。
消臭という効果は、エチケットやマナーの面からはプラスの要素である上に、その3種類は素材としても上質の部類なので、いずれにしてもOKと言えるでしょう。
タキシードの靴下の柄
タキシードに合わす靴下の柄についてはどうでしょう?無地でないとNGなのか、ある程度は許されるのか、これもいざというときに迷ってしまうポイントのようです。フォーマルのセオリーとしてはどうなのか、確認しておきましょう。
基本は無地
タキシードの用の靴下の柄の有無に関していえば、柄のない方、つまり無地の方がよりフォーマル性が高くなります。よって黒無地の靴下を用意すれば間違いはありません。
その次に許されるのが、同色の織り柄タイプです。黒一色ではあるけど織り方で柄が出ているものです。遠目には無地に見えるので、その程度ならまず問題ないでしょう。
柄に色がついて来ると、場合によってはNGになる可能性があります。足を組んだ時など、靴下が見えることもあり得ます。極力無地を用意し、なければ黒一色の織り柄ぐらいまでで臨みましょう。
ストライプ柄はモーニング用
礼装用の靴下を売っている所にいくと、黒無地の靴下ともう一種類、黒地に細い白色のストライプが入っているものや、『オルタネートストライプ』と呼ばれる、黒地に白とグレーの2本のストライプが等間隔で交互に入っているものがあります。
この靴下は、略礼服やタキシードに履くものなのでしょうか。実は、その靴下はモーニングコート着用時に履くものなのです。
モーニングコートのスタイルはスリーピースですが、組下はコールパンツと呼ばれるグレー地に黒と白のオルタネートストライプが走っている柄のパンツです。それと黒の革靴をつなぐ役目の靴下なので、そのような柄もOKになるのです。
靴下を選ぶ時の注意点
タキシードに合わせる靴下を選ぶ時の注意点がいくつかあります。フォーマルシーンで選ぶ際には重要ですのでチェックしてみましょう。
丈は長めにする
靴下の丈は、できるだけ長めのものを選びましょう。それは、できるかぎり足の素肌を人に見せない方がよいからです。
普通に立っていれば、パンツ丈がよほど短くないかぎり、見えることはありません。問題は、椅子やソファに腰掛けた時です。当然、その場合は靴下は見えてしまうでしょう。そして丈にもよりますが、靴下が短いと、肌との境目ぐらいまでパンツの裾が上がってしまうことがあり、素肌が見えてしまいます。
長めの靴下であれば、ある程度大丈夫ですが、完璧を期すなら『ロングホーズ』という、膝近くまである長い靴下をお勧めします。1足1000円ほどから販売していますので、準備しておくのが賢明です。
たるませないようにする
靴下が見えたときにたるんでいるのは、だらしない感じがするのでやめましょう。きちっと履きこんでいない、いい加減な印象や、使い古してくたびれたものを履いている印象を受けます。
靴下が古くなければ、深く履き込んでいれば大丈夫です。きちんと履いているにもかかわらず、弛んでくるのならその靴下自体が古くなっているか、品質が粗悪であるかです。
新しい靴下を使うのが一番良いのですが、なければ裏技的に『ソックタッチ』などのずり落ち防止ツールを使う方法があります。しかしこれは緊急の場合ですので、せっかくのフォーマルシーンで慌てないよう事前に確認しておきましょう。
ブランドロゴはなくてよい
靴下には、ブランドのロゴやシンボルマークがくるぶしあたりに施されているものがあります。それはよいのでしょうか?
結論から言うと、NGではないけれども、ないほうがよいでしょう。たとえ有名ブランドのものであっても、靴下にロゴが入っている物が人に見えるのは、あまり良くないと捉えられます。ブランドが悪いわけではありませんが、できればロゴなしの物を選びましょう。
タキシードに合う靴下ブランド
タキシードに合う靴下ブランドをセレクてしてみました。2つほど挙げておきますので、購入の折に参考にしてみましょう。
パンセレラ
『パンセレラ社』とは、英国中部にあるレスターで、1937年に創業した高級靴下メーカーです。創始者ゴールドシュミット氏は、紳士の着る服や身につけるものが軽量化していく風潮に、ソックスも軽いものがトレンドになると予見しました。
近代的に機械化されたソックス工場の設立は、世間の注目を集めました。パンセレラ製ックスの特徴は、つま先の『閉じかがり仕上げ』をすべて手作業でおこなうことです。これを手作業でおこなうことで、よりなめらかで柔らかいつぎ目が生まれます。
履いたときのつぎ目のゴロつきがなく、ぴたっと足に吸い付くよう履き心地が得られます。独自の仕様でよられた糸から、選りすぐり品質のものだけを贅沢に使用して作られます。価格は3564円(税込)が中心です。
Pantherella |英国の靴下 パンセレラ – 日本語版オフィシャルサイト
ソッツィ
SOZZI (ソッツィ)は、イタリアン・クラシックソックスのカテゴリーでは代表格です。イタリアの有名ショップには必ずと言っていいほど『ソッツィ・カルツェ』(カルツェはイタリア語で靴下の意味)が置かれています。
『ホーズ』と呼ばれるロングタイプのソックスは、フォーマルスタイルの必須アイテムであると同時に、イタリアン・クラシックスタイルにも欠かせないアイテムの1つになります。
コットンのロングホーズなら3348円(税込)であります。ウールやコットンウールのものでも3000円から5000円台で選べます。もっとも格上のカシミヤシルクのロングホーズで1万5120円(税込)です。
まとめ
タキシードの靴下の合わせ方や、失敗しない靴下選びのポイントを解説しました。基本は、色は黒、柄は無地で、少々の例外があることさえ知っていればOKです。
また、素肌を見せないように充分な長さと、たるませないことなども押さえておきましょう。1000円から3500円程度で購入できるので、いざというときのために『備えあれば憂いなし』ですね。
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