タキシードの色目といえば、黒かミッドナイトネイビーあるいは白が定番です。それに準じる他のカラータキシードも存在します。昨今人気が増して着ているのがグレータキシードです。ひと味違う差をつけるグレータキシードのコーディネート術を解説します。
グレーのタキシードの特徴は?
人気のグレータキシードの特徴とは一体どのようなものでしょうか?わかりやすく解説していきましょう。
結婚式でも人気
最近、結婚式でグレーのタキシードを着るひとが増えているようです。その理由は何でしょう。
結婚式の新郎の装い基本的に一生に一度の晴れ姿です。となれば、普段決まり切った黒や白ではなく個性的なものを、と考えるひとも多いようです。定番もよいですが、個性的なグレータキシードのスタイルは、結婚式ならではのものと言えます。
グレーと一ひとくちにいっても何種類もトーンがありますが、いずれのグレーも、華やかな衣装が苦手なひとにもおすすめできる色合いです。特に人気なのが、光沢感あるシルバーグレーです。
花嫁のドレスや会場にも合わせやすい
グレー系は花嫁の華やいだドレスとのバランスがよいのです。また、タキシード中でVゾーンの役割も大切です。グレーは、ピンクシャツやブルーシャツを合わせても、穏やかに馴染み、よい雰囲気になります。
また、結婚式を控えるひとたちのほとんどが、最初に選ぶのが『式の会場』でしょう。結婚専門の式場・ホテル・洋館・リゾートなど、どのような場所を選んでも、グレーをベースにすれば、その会場に似つかわしいスタイルをつくれます。
タキシードの生地やデザインは?
いわゆるスーツとは、上下揃いの同じ生地で作られた服を指します。タキシードはスーツと同様に、上下が同じ生地(タキシードクロス)ですが、ジャケットの襟にはシルクなどの光沢のある生地の『拝衿(はいけん)』と呼ばれる部位があります。
そして、拝衿に使用されたシルクと同じ素材で作られた、お腹周りを隠す役目の着用するカマーバンド、あるいは上衣と同素材のベストが組合されます。
タキシードは黒あるいは濃紺があくまでも基本色ですが、色物の中でのグレーやデザインがアレンジされた『ファンシータキシード』『ファンシースーツ』と呼ばれるものもあります。
グレーのタキシードの合わせ方
それでは、グレーのタキシードの合わせ方、着こなし方のポイントを解説しましょう。
シャツはウイングカラーの白が基本
タキシードに合わせるドレスシャツには、煌びやかなウイングカラーシャツを合わせましょう。
ウイングカラーとは、シャツの台襟部分が立ちあがったスタンドカラー風のシャツで、左右の襟の先が三角形に折れていて、鳥の翼に似ているのでその名がついています。とても煌びやかな雰囲気のシャツです。
ウイングカラーシャツには、胸に細かいプリーツが何本も入った装飾性が高いものと、入っていないものとがあり、どちらでもOKです。
シャツは本来は下着なので、昔は胸元のシャツ=下着を見せることを避けるため、別の布で装飾していました。時代とともにシャツそのものをプリーツで装飾するようになりましたが、別布の名残なのです。
袖にはカフリンクスを付けよう
タキシード用のシャツはダブルカフス、つまり折り返しになったボリュームある袖口をカフリンクスで留める仕様です。合わせるカフリンクスは、鉱石の一種の黒い『オニキス』もしくは『黒蝶貝』のものが基本です。
昼間のフォーマルシーンでは白蝶貝が基本ですが、タキシードのように夜用の礼装の場合は黒のオニキスか黒蝶貝になるのです。
カフリンクスは、カフ(袖)のリンクス(繋ぐものの複数形)という意味で、袖を繋ぎとめる役割を持っています。袖先を留めることで、袖口の装飾になり、汚れを防ぐ仕様でもあります。
もっと掘り下げて、そもそもカフリンクスをなぜするのかというと、前述のようにシャツが下着であり、下着のボタンを晒さないという意味があります。
靴と靴下は定番の黒がおすすめ
タキシードを着用するときに履く靴は黒が基本です。それも『黒エナメルのオペラパンプス』が最上級のフォーマルスタイルです。そして、靴下の基本の色も黒です。そもそも、フォーマルスタイル全般が、黒の靴下を基本とします。
礼装のときに黒の靴下を履きましょう。紳士服のセオリーから説明すればこうなります。靴下はパンツと靴をつなぐものなのです。その両方の色の中間に位置する色か、間に入って違和感のない色でなければなりません。
となれば、タキシードおよびほとんどの礼服のパンツは基本的に黒で、靴も黒なので、当然つなぐ色は黒しかありません。グレーや白なら上から下への色の流れが分断されてしまいますから。
グレーのタキシードを着こなすコツ
それではここでグレーのタキシードを着こなすにあたってのコツを紹介しておきましょう。
全体の色味を抑えて爽やかな印象を
グレーという色の強みは非常にニュートラルな色味であるということです。ニュートラルであるということは、派手めにも地味目にも振れる位置にあるということです。
つまり、着る人の個性やその場の雰囲気、周りの人々との兼ね合いなどを上手にクリアして、違和感のないスタイルを作り出せるスタンスをした礼装だということです。
基本的には面積の多くなるグレーという沈着・静謐・温厚・中立な色目のよさを生かして、全体的なトーンを抑えて爽やかな印象をベースに持ちつつ、周辺アイテムで華やぎ具合を調整できます。次項で具体的に解説します。
小物のカラーを工夫してアクセントを
タキシードには色々な小物が必要ですが、逆にいうとそれらでトーンコントロールが可能であるという発想を持ってみましょう。
あくまでもシックにいくなら、グレータキシードに対してシャツとポケットチーフは白、その他は黒で統一すれば、それはそれですっきりとしたモノトーンのコーディネートが完成します。
少し華やいだイメージを狙うならシャツとチーフにサックスブルーやベビーピンクなどのパステルを配して、蝶ネクタイ・カマーバンドのシルクにはボルドーやボトルグリーンなどの色の彫りが深いものを添えれば、アクセントとして活きてきます。
お色直しで試したいコーディネート例
お色直しでは思い切った洒脱なコーディメートが周りにも期待されますし、本人も殻を破ったスタイルができる場だと言えるでしょう。どのような着こなしが考えられるか、ヒントを紹介します。
チェックのベストでスタイリッシュに
簡単にできてお洒落なコーデとして、柄物ベストを混ぜてしまうテクニックをタキシードに応用しましょう。
ウインドウペイン・グレナカートチェック・プリンスオブウェールズチェック・ハウンドトゥースチェック・ガンクラブチェック・タータンチェックなど、それぞれが面白い着こなしを生み出してくれます。
お色直しというシチュエーションは、場が場だけに少々きついコーディネートでも大丈夫ですので、思い切って選びましょう。
カラフル蝶ネクタイでカジュアル感を演出
蝶ネクタイの基本色は黒ですが、お色直しのこの時ばかりはド派手なものも受け入れられます。カラフルな蝶ネクタイ、たとえばビビッドなレッドやイエローなども洒落ています。
ミントグリーンやライラックも上品な派手さがあります。シャンパンゴールドなどは高貴な華やかさがでるでしょう。
柄物もよいでしょう。カラフルなベースにチェックやペイズリー、ドットなど、色々と考えられます。
インナーとドレスカラーを合わせる
一つのテクニックとして、花嫁のドレスの色目と、タキシードのインナーの色を合わせるという手法も効果的です。
花嫁のドレスが綺麗なサーモンピンクであれば、グレータキシードの中のシャツにもサーモンピンクを持ってくると、最高にお洒落な2人のペアコーディネートになります。同じことがスカイブルーでも、ピスタチオグリーンでも言えるでしょう。
まとめ
差をつけられる、ひと味違うグレータキシードのコーディネートテクニックと周辺情報をお届けしました。
ニュートラルなグレーという色の汎用性を生かした、ポテンシャルの高い気こなしをして個性あふれるタキシードスタイルを楽しもうではありませんか。
新しいオーダータキシードの世界を叶える、Re.museとは
タキシードのイメージ、それは多くの人にとってブラックスーツではないでしょうか。 正統派ブラックフォーマルは勿論、Re.museが考えるタキシードは、着る人の個性と自由が表現された、あなただから着こなせる一着であることがマスト。TUXEDO & ENGAGEMENT SUIT 着脱式タキシード
本格的なタキシードとして結婚式・パーティーにもご着用いただけ、ラペルの拝絹やパンツの側章を取り外して、デイリースーツとしてのご愛用も可能とする、新しい発想のタキシードです。Re.museのタキシードはこちら