タキシードを着る機会は、一般の人ではそれほど多くないでしょうが、着るときにはお洒落に決めたいものです。そんなタキシードに合わせるネクタイは、どのような物が相応しいでしょうか?ネクタイの選び方や結び方も気になります。いざという時に迷わないように、基本情報を解説しておきましょう。
最初に知っておきたいネクタイの種類
そもそもネクタイには、どのような形や種類があるのでしょうか。また、合わせるスーツによって選ぶ基準は違うのでしょうか。基本中の基本から確認しておきましょう。
見慣れた形レギュラータイ
『レギュレータイ』は、もっとも見慣れた普通のネクタイのことです。『ダービータイ』とも呼ばれます。幅は細いもので7cm程度、太いものなら9cmから10cmを超えるものもあります。平均的には7.5cmから8cmです。
スーツスタイルのセオリーでは、スーツのジャケットの『ラペル(下襟)』の幅の変化に対応するとされています。あくまで原則なので、わかった上でアレンジして、たとえば細いラペルに幅広のネクタイを締めるのも、必ずしもNGではありません。
タキシードと言えば蝶ネクタイ
タキシードにもっとも相応しいネクタイは、『蝶ネクタイ』です。ボウタイとも呼ばれ、新郎でもゲストでもこれを結べば間違いはありません。タキシードと燕尾服に対応するネクタイです。
パーティやセレモニーに着用するスーツに合わせるスタイルも、よく見受けられます。昨今では、ドレスダウンに使えるアイテムとしても人気が復活しています。きれいめのカジュアルスタイルに、蝶ネクタを合わせる着こなしも増えています。
昼の礼装に合いやすいアスコットタイ
『アスコットタイ』は現代では、非常に汎用性が高いアイテムです。本来は、昼の礼装であるモーニングコートやディレクターズスーツに合わせるものです。
しかし、フォーマルのシチュエーション以外でも、カジュアル寄りのジャケットスタイルの時に使用もできます。
結び方は2通りあって、フォーマル時のウイングカラーシャツの場合は襟に巻き付けますが、ファーマルならびにカジュアルでイタリアンカラーシャツの場合はシャツの襟の内側に結ぶことが多いでしょう。
選び方のポイントは?
ネクタイの種類や色を選ぶときのポイントは、一体どういうものでしょうか。スーツの種類によって迷わないためにも、基本を確認しましょう。
まずはタキシードや会場との相性を確認
タキシードとの相性はもちろん重要ですが、会場や式の雰囲気、花嫁の衣裳など周囲や環境に配慮し、場違いになることを避ける必要があります。
色柄・デザインなど選択肢は多く、フォーマルからカジュアル寄りの物までさまざまです。
レギュラータイは、結婚式でも多くの新郎が選んでいます。日本では白やシルバーがフォーマルとされます。
黒のタキシードには、黒無地の蝶ネクタイが最上級に近いフォーマルな装いです。色物や柄物の蝶ネクタイは、カジュアル感が出るので、式典以降の披露宴のお色直しや二次会などに相応しいでしょう。
『クロスタイ』はその名の通り、クロスしている形のネクタイです。華やぎあるデザインなので、チャペルウェディングや友人中心のパーティーなどに向いています。
蝶ネクタイはデザインとサイズ感が重要
蝶ネクタイは4種類のデザインがあります。大きい順に『バタフライ』、それを小振りにした『セミバタフライ』、横一文字風の『ストレートエンド』、左右の端がと尖っている『ポインテッド』です。着用する人の顔と、タイの大きさやバランスが大切です。
目安は左右の目尻から垂直にラインを下ろして、そのラインから顔の輪郭に達するまでのゾーンに蝶ネクタイのエッジ(先)が収まっていればOKです。輪郭よりはみ出ると大きすぎて、目尻よりも内側だと小さすぎに感じます。
恥をかかないネクタイの結び方
ネクタイの結び方についてはシーンに合わせて何種類もあります。基本は選ぶ店で相談すればいいですが、恥をかかないためにも基本の結び方を押さえておきましょう。
最も基本系プレーンノット
基本中の基本である『プレーンノット』の結び方は以下の通りです。
- 小剣の端を大剣の下に、交差するように重ねる
- 大剣を小剣の周りに一周するように巻いて、小剣の下に持っていく
- 大剣を小剣の輪の内側からくぐらせて一旦外側に出す
- 最初に巻きつける時にできた輪の方に、大剣の先をくぐらせる
- 大剣を下に引っ張って結び目を形づくる
- 結び目を押さえ、小剣の先を下へ引っ張っりながら締めあげる
味わいがでる手結び蝶ネクタイ
多くの蝶ネクタイは結び目の形は出来上がっていて、襟に回して留めるだけですが、手結びタイプもあります。味わいがでるので、おすすめです。結び方は以下の通りです。
- 首周りにフィットさせて、ま左側の剣を右側の上に重ねる
- それぞれのリボンの部分が終わるあたりの、幅の狭い部分で両方の剣を交差させる
- 首周りのループの中に左のリボンを通し、両端を引いてゆるく結ぶ
- 右側の剣を折ってリボンを形づくり、折り目を押さえる
- リボンの中央に、左側の剣を持ってくる(左側の剣がリボンの結び目の上から垂れ下がる形になる)
- リボンのまわりにループを作ってリボンを通して左側に出し、形を整えて完成
上品に決めるアスコットタイ
一見締めるのが難しそうに感じるアスコットタイですが、実は簡単なのです。ひと言で言うと、プレーンノットで締めて、仕上げに内側の剣(レギュラータイでいうと小剣に当たる部分)を裏返すように結び目を覆ってしまって形を整えるのです。
裏返すと言っても、その前の状態での内側は裏側ですから、ひっくり返すと前から見たら表側が現れるのです。言葉で書くとややこしそうですが、やってみたらびっくりするぐらい簡単ですので、試してみましょう。
結婚式でのネクタイの着用は?
晴れの場である結婚式でのネクタイは、どういう選び方をすればよいのでしょうか。また、新郎かゲストかによっても変わってきます。具体的に確認していきましょう。
新郎なら定番の白系か正統の黒系
結婚式で新郎が着るタキシードといえば、大半は白か黒で、色物の場合もあります。そのタキシードに合わせる、おすめネクタイを紹介します。
正統派は何といっても定番の白系です。特にタキシードが白い場合は必須になります。フォーマルな大人の魅力が出せるでしょう。
黒も正統派として、タキシードの色が黒の時には定番です。ドレスコードの中の『ブラックタイ』と言う言葉は、黒いタキシードを意味するぐらいです。
色物のタキシードの場合は、上品でお洒落なネイビー、ナチュラルなライトグレー、シックなボルドー、華やぎがあるシルバーグレー、光沢がラグジュアリー感を呼ぶゴールドベージュなどから、タキシードの色に応じて選びましょう。
ゲストの場合はカラーネクタイもOK
基本的には新郎や親族は白か黒のモノトーンがよいとされますが、ゲストとして出席する場合はどうでしょうか。
最近の傾向としては白・黒のモノトーン以外の色物や柄物も許容されています。カラーネクタイを選んでも、差し支えありません。全体のコーディネートを引き立てる、お洒落な色目をチョイスしましょう。
最近ではパステルカラーなどもフォーマルの場で選ばれています。サックスブルーやクリームイエロー、ベビーピンクなどの定番パステルも爽やかでお洒落です。
こんなネクタイは気をつけよう
黒の結び下げのネクタイ、つまり蝶ネクタイやクロスタイではなく、レギュラータイの場合、黒は不祝儀のイメージがあるので、避けましょう。
また、ある程度の柄物は許容されるとはいっても、あまりにも華美な柄、奇抜な柄は場の品格を下げてしまうのでNGです。柄物を選ぶ際は、あくまでも上品でシックな範囲にとどめましょう。
まとめ
タキシード着用時を含めた、フォーマルシーンでのネクタイの選び方や結び方を紹介しました。
会場の雰囲気や、身につけるタキシード及びスーツに応じて、相応しいものを選ぶことが重要です。決して場違いな装いにならないように留意しながら、自分らしいフォーマルシーンでのお洒落を楽しみましょう。
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